複数のデバイスがあるならシンクロさせる必要がある。ひとつなら,つまりは,なくなる。
アップル社は,マック上のアドレスブック,iCalのスケジュールデータを,ブルートゥース内蔵携帯電話,パームOS搭載端末,iPodと相互にシンクロナイズできるiSyncのβ版をリリースした。正式版の提供時期は調整中。
これまでアドレスブックのデータ,iCalのデータを各端末に入れるのは面倒だった。それぞれ名前を付けて書き出し,それをマウントされているディスクの所定の位置にコピーしなければいけなかった。それがボタンひとつですむんだから,楽。だがいまのところ用途は限定され,iCalとアドレスブックを使ってない人にはなんの役にも立たない。だが,iPodがMPEG4ムービープレーヤーに進化し,iTunesのように機能するムービーカタログソフトがないとしたら,iSyncがムービーファイル・シンクロナイザーとしても機能するだろう。当分の間は,だが。
将来,もし,手のひらにデスクトップパソコンを載せて持ち運べるようになったら(またはネットワーク経由でシームレスにアクセスできるなら),同期する,シンクロする,という作業はなくなる。どこにでも同じ環境を持ち歩けるんだもの,データを合わせる必要などない。先日のノートパソコンの話と重ねれば(過去記事),それもあながち遠い未来の話ぢゃない。データをシンクロさせるのではなく,机の前にいる人間と街中を歩いている人間をシンクロする,これが最終形態,となる。
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